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イタリア・ルネサンス・ダンス⑤

雨。。なんだか喉がカスカスして、咳ばかり出ます。
身体が痛くて、ヨタヨタ歩いていたら、
家から10分離れた駅までの道が分からなくなって迷ってしまい、
30分もメトロを探してしました。。
私、だいじょうぶか~?

6日間続いたセミナーも最終日となりました。

昔は、武士(騎士)でも一般人でも、
戦いの時は、兵士となり、男性にとってのダンスは、
武のための身体づくりでもあり、楽しみでもあったのだと思います。
それが少しずつ貴族のダンスになっていったようです。
そして女性は、カローゾの改訂版の教本の題名にもあるように、
女性の品格をダンスの中に求めています。

ルネサンス・ダンスは、
音をさせないで動作することが大切なダンスです。
すり足は、とても大切な足運びのテクニックのひとつです。
武道の中でも、特に弓道に似ているなと思います。
パヴァーヌにしても、音を立てて歩きません。

すり足や音を立てないで歩く事とは全く反対の動き、
飛んで両足ケンケンするグロッポ、
ソットピエーデなど、足を投げ出したり、
フロレッテに入る時に、シャンジュマンのような足運びが入ったり、
タップを踏むような早い足の動きが多くあります。
これはよく見ると、馬の足の動きに似ているなあ。。と思いました。

この静と動が上手に組み合わさって、8小節ずつで、
ひとつのパターンのダンスが出来上がっています。
16小節のパターンのヴァリエーションもあり、
5小節目と9小節目が、左右対の動きになっており、
音楽の旋律の中で、数が数えにくく、覚えるのが大変でした。
皆がざわめいたし、時間もなかったため、
とうとうこの部分は、却下となりました。。。残念。。

100年ずつで、踊り方に違いがあるように、
15世紀と16世紀は、挨拶の仕方にも違いがあります。

最後の日の最後の曲で、相手役に挨拶(レヴェランツァ)をした時、
ほっとして思わず頭を下げて、日本人特有の挨拶をしてしまいました。
それを見たブルーナは、音楽の最後の音が消える前に、
「そりゃ、ないっしょ~~!!」と間髪入れずに言ってきました。^^;
怒られると怒られるほど、もっと頭を下げてしまい、
自分は、日本民族なんだなあ。。と強く感じました。。。^^+

でもものすごく楽しかったし、学ぶことがたくさんありました。
感謝です。^^








今回は、5回に分けて、イタリア・ルネサンス・ダンスのことを
ブログにしてみました。

マニアックな内容も多くあったと思いますが、
こんな世界もあるんだあ。。と心のどこかに閉まっておいてみて下さい。

イタリアは、ピザやスパゲッティーも最高ですが、
このきらびやかなトスカーナを中心にした文化は、
数学的でエステティックな感覚に対して敏感で、
その歴史の古さと豊かさに感動するばかりです。
そして15世紀、16世紀には、発明された印刷という技術によって、
本が出版され、現在私たちがそれを読み解きながら、
音楽を楽しめる。。そんな驚きの中で至福な時を過ごせて、
本当にしあわせです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

それでは
チャオ!

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イタリア・ルネサンス・ダンス④言葉とこころ

みなさま、こんにちは。

第4弾!つづきます。
今日は、「言葉の香り」、そして「こころについて」です。

15世紀のダンスと16世紀のダンスは、一歩一歩の拍の感じ方が違います。

そして、もちろんルネサンス文化の中心はイタリアで、
イタリア・ルネサンス・ダンスは、イタリアのものなので、
テクニック名は、イタリア語で覚えた方が、
感覚的に良いと思ったんだけど。。

「セグイト」を「パ・ド・ブレ」とフランス語で言うと、
同じテクニックや動作でも、心意気というか、香りというか、
なんだか違うんだな。。と思いました。
日本語でしたら、「あるく」です。。
でも、これもいいんじゃないかな。。なんて。。

スパゲッティーペスカトーレを魚介のイタリア麺とか、
日本語の方が自分としては、想像しやすいし。。

ブルーナは、教える時はフランス語ですが、
テクニックは、すべてイタリア語です。
ところどころ、イタリア語での説明になる時もあり、
イタリア気分を満喫できる格好のチャンスだと思うと、
ちょっとは頑張らなくちゃいけないかな。。と思います。。
でもまあ、体力的に厳しい私としては、かなりヤバい。

ブルーナは、多くの準備動作の中に、気功や整体を取り入れています。
そして彼女は、唯一の日本語、「ハラ」という言葉を使います。
「ハラ」という言葉は、どの分野でも共通して使われる言葉だと思いました。
そして、「ハラ」を表すためには、日本語である必要があるのだと思います。
やっぱり人は、想像しやすい言葉を使うんだと思いました。

そして彼女は、何度も、イタリアのルネサンス音楽を踊るのは、
深い精神世界が必要であると話しています。

「今この一瞬、自分は、どこにいるのか」
「今この一瞬、自分は、なにをやっているのか」
「自分になにが起こっているのか」
髪の毛から足の先まで、敏感に感じ、
その意識が、とても大切だと話していました。
深い表現が、ダンスには必要だという事です。

速いテンポの曲の足運びを上手にピョコピョコ飛んで、
ただテクニックを見せているだけでは、
表面的で、内容がないという事を話していました。

ブルーナは、冗談半分で、フランスのダンスみたいにね。。と付け加え、
その時、ハハハ!と笑ったのは、私だけでした。。マズいじゃんか。。
あの異様な雰囲気と暗い視線の数々。。

考えてみれば、誰もルネサンス時代の日々を
体験している人はいません。
私たちは、脈々と流れてきた祖先からの血を感じて、
それを受けて、表現しているのだと思います。

ダンスに限らず、舞台で表現する事は、
自分の人生だけではなく、
脈々と流れてきた祖先からの血も含まれているのだと
つくづく感じました。


次回で最終回。。。かな。。

イタリア・ルネサンス・ダンス③プリエ続き

みなさま、こんにちは。

今朝、ふと目を覚ましたら、なんだか東京にいる気分になっていて、
近所のスーパーに黒糖パンを買いに行こうかと思ってしまいました。
外を見ると、シトシト雨が降っていて、
東京と似たお天気だったんだな。。とがっかりしました。

さて、今日は、ルネサンスダンスの「プリエ」の続きについてです。
「プリエ」は、がに股になる事、ひざを曲げる事です。

15世紀から16世紀にルネサンスというひとつの華々しい文化が、
イタリアを中心に広がっていきました。

数年前、フランス・バロック・ダンスの会議で大きな話題となった、
プリエの位置はどこにあるか、という事が、
ルネサンスの世界でもあるとのことでした。

ブルーナは、小節頭の1拍目のちょっと前に素早く入れるプリエが
良いと言っていました。

分かりやすく言えば、3拍子の曲の3拍目は、プリエではなく、
プリエは、次の小節の1拍目に入る、ほんの一瞬前に入るもので、
次の小節の1拍目の用意だという事です。

準備運動をしている時、ブルーナが流してくれた
モンテヴェルディは、ルネサンスが終りを告げ、
バロック期に入るか入らないかに活躍した作曲家ですが、
アウフタクト(弱拍から始まる。)が含まれて作られていました。
小節の最後または、フレーズ終りに、音と言葉の「シメ」があって、
ニュートラルな状態です。

それを考えると、普通に「タン タン タン ウン」(セグイト)で、普通に歩いたとして、
動作は、プリエで終るのではなくて、
両足は、前後にあるものの、両足とも膝を伸ばして、
動作し終る、歩き終る=ニュートラルな状態になる事を意味しているのだと思います。

私は、このプリエは、吸気の瞬間と同じだと思うので、
プリエで終るのではなくて、プリエは、次の用意。。始まりだと思います。
プリエは、1拍に満たない、あくまでも次の動作の「兆し」を表しています。
言語で言うと、イタリア語やフランス語の冠詞の音だったり、
歌や楽器でいう呼気の一瞬だと思います。

ルネサンス時代のダンスから、
プリエの意味を次の動きの準備と考えていて、
そこに、糸を紡ぐような「間」となり、その繊細さや美しさを求める趣向が、
ヨーロッパには、脈々と流れているのではないかと思います。

そして、このプリエによって、頭の高さが変る。。
身長が低くなったり、高くなったりすることで、
ルネサンス・ダンスの美しさを表しているのでしょう。

もうちょっと続き。。。です。。^ ^+

イタリア・ルネサンス・ダンス②プリエと動き

昨日の続きです。

クラスには、60歳を過ぎている友人が、
バロック・ダンスとルネサンス・ダンスを一日6時間も踊っています。
足が棒よ!なんて言っているけど、
どこからそんなエネルギーがあるのか。。
やはりチーズは、底力がつくのか。。

ルネサンス・ダンス①では、立ち方のお話をしました。
本日は、プリエと動きのお話です。

15世紀と16世紀は、200年の違いがありますが、
イタリアのルネサンス期が安定して花咲いたこの時期のダンスは、
100年ずつ分けて2種類あります。
たとえば、ひとつのテクニック、「コンティネンツァ」(Continenza)も、
15世紀と16世紀と違います。

時代によってのブルーナの「コンティネンツァ」と言う時の
抑揚とアクセントが違いました。
という事は、100年ごとに、言葉自身の抑揚が変ったのだと思いました。
九州に帰ると、東京弁と言葉の抑揚が違うような感覚です。

16世紀は、膝を伸ばしたまま、すり足で足運びをしたら、
一旦下に落としてからプリエ、すぐにつま先たちになる1歩。
「コンティネッタ」の「ネ」がプリエにあたります。

15世紀は、膝をゆるめて、すっとつま先立ちで足運びをして、
かかとをつけてからプリエする1歩
「コンティネッタ」の「コン」がつま先立ちにあたります。

荒っぽ言えば、人の頭が下から上へ動くか、上から下に動くか。。の違いです。
長いドレスを着て、時代的に身体をよじる動きがなく、
頭が上下する運動に美をみるのが、当時の「ダンス」なのかなと思いました。

ひと休み。。してから、

また続きます。

イタリア・ルネサンス・ダンス①

みなさま、こんにちは。
お元気ですか?

夕方、大きな顔幅の広い黒人のお兄さんに、
「君はアルジェリア女かあ。。」
と、メトロのホームでからまれたので、「日本人です。」と答えると、
「ひゃっほ~、日本人かあ、日本人かあ!」と
大声で何度も言われて、とても恥ずかしい思いをした日でした。
そして、まったく別々の道端で、1サンチーム(1円40銭)を2回、
計2サンチームのお金を拾いました。
なんだかこんな日を送った一日でした。

今回は、数回に分けて、ルネサンス・ダンスについて、
ブログにしたいと思いました。
あまりこういう内容は、今まで掲載していませんでした。
でも、興味ある方や学びたい方がたくさんいると知り、
楽しい情報を提供していければと思います。

ルネサンスダンスのセミナーは、毎年2月のパリで開かれます。
ブルーナ・ゴンドーニ(Bruna Gondoni)という短髪ブロンドのかっこいい女性です。
このセミナーは、昨年初めて出て、今年もとても楽しみにしていました。

昨年は、ルネサンスダンスの基礎である、頭の高さや肩の動きなどを
重点的に学びました。

今回は、『女性の気品』(Nobilia di Dame)というダンス教本より、
スペイン風の踊りを学びます。

音楽は、8小節が4回、計32小節必要なのですが、
この教本には、2小節足りないタブラチューアが載っていて、
結局、生徒のフランソワーズが、他の曲から探してくれました。
同じテクニックも、スペイン風とイタリア風があり、
見せてもらいましたが、私には、同じに見えちゃいました。。^ ^;

ダンス教本を書いた、カローゾCarosoとネグリNegriという二人は、
基本の足位置の立ち方に違いがあり、興味深いものでした。
この頃は、挿絵と文章から、当時、どのように踊っていたのか、
想像しなくてはいけません。
結局は、バロック期に近くなるにしたがって、両つま先同士が開く、
クラシック・バレエに流れるにしたがって、180度開いていく。。
という感じでしょうか。

カローゾの言うように、両足をパラレル(平行)にそろえて立って。。
というのは、挿絵からしても矛盾しているし、人の動きから見ても、
ちょっと不自然かな。。と思われるというのが、ブルーナの解釈でした。


ひと休み。。

次回に続きます。^^


一定リズムを刻むということ

みなさま、こんにちは。

パリは、「雪」 @o@// の予報でした。
最初は、どこかで噴火した火山灰かと思ったら、雪でした。

今日は、リズムのことを話そうかな。。と思います。

ひとつの身体の中で、心臓のドキドキと呼吸は、
お互い違うリズムで、速度も違います。

それもお互い一定のリズムではありません。
一定ではない、気ままなリズムを奏でています。
そして、寝ている間も、ずっと保っていてくれて、スゴイです。

まばたきしたり、つばを飲み込んだり、頭掻いたり、
「自分突っ込み」も何気にタイミングをはかって、やっています。

音楽では、リズムに乗って、とよく聞きます。

私も生徒さんに、伴奏リズムを聞いてちょうだい、
なんて言っていますが。。

一定のリズムを機械みたいに打つと無機質になってしまいますが、
やっぱりメトロノームで練習するのは、大切なんだな。。と感じます。

リズムがしっかりしていると、旋律が自由に流れる。。^O^//

メトロノームというのは、良く考えられています。

電子音とオモリのメトロノームが大きく違うのは、
音鳴り出しと鳴り終りが、違うことです。

音は、鳴り出す前と鳴った後に、
耳では聞こえづらい微かな音がありますが、
オモリのメトロノームは、それがあります。
電子音は、ボタンと同じなので、
コンマ数秒の一定の長さの音が鳴るか鳴らないの「デジタル」世界です。
でも最近、オモリ風の音の電子音もあります。

このふたつは、
空気の流れに乗って一緒に出るか、空気を破って出てくるか。。
の違いだと思っています。

私は、オモリのメトロノームが、ちょっと好きです。
メトロノームを外した時に、人の息吹を吹き込みやすいままの
ほぼ一定のリズムが刻みやすいのではないかと思うからです。

一定のリズムを刻むというのは、精神を安定させる働きがあるようです。

療法では、太鼓類を使い、心地よい速度の一定のリズム練習というか。。
そういった療法をしました。

速度の違いは、心を落ち着かせたり、高揚させたりします。

一定リズムの中に、「頭」を作ると、何拍子かが分かります。

去年か一昨年のぶろぐで、拍子の違う2つのリズムの話をした事がありました。
・い・ふ・く・・い・ふ・く。。。」の4拍子系と
・ち・ご・・ち・ご」の3拍子系を
2人で言うと、だいふくの「だ」といちごの「い」のリズムの頭が合う時は、
4拍子の人がを3回、3拍子の人が4回言ったら、合います。。
なんていう内容だったような気がします。

公園を気分良い歩調で歩きながら、アンマンをフーフー冷まして、
友達と面白い話をして、わはわは笑いながら食べてたら。。
突然、石につまづいて、アンマンを投げてしまう、
でも、土に落ちる前に、転びながらキャッチした。。
セーフ。。。^ ^;
一度にかなり複合的なリズムに洗礼されています。。

複雑でも、なんだかしあわせなリズムに乗っているように感じますね。

今日も、しあわせなリズムに乗って、楽しくお過ごしくださいね。

読んでくださり、ありがとうございました。

プロフィール

ランベール甲斐あきよ

Author:ランベール甲斐あきよ

東京生まれ、熊本育ち。パリに20年余り在住、現在は東京と往復。
東京・杉並区で心理カウンセリングを取り入れた音楽療法をおこなっています。

メンタルが疲れた方、音楽のプロなど、さまざまな方が来所、リモートしています。ライアーをYouTubeで弾いています。作曲や編曲がPiascoreにあります。専門は、フランス近代と古楽です。かえるのピクルスが好きです。
国立音楽大学教育科、パリ・エコール・ノルマル音楽学校の声楽演奏科、ソルボンヌ‐パリ・デカルト第5医科大学卒業。フランス国家登録音楽療法士、公認心理師、日本音楽療法認定音楽療法士。

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